偽装結婚はおさない恋の復活⁉︎

「くそっ……自分は渡辺のことを名前で呼び捨てにするな、って言うくせに、あのアホ野郎のことは呼び捨てにしやがって」

確かに、父親の前で一度だけ、稍は元婚約者の野田のことを「康平」と言っていた。

……あのう、智史さん、いつもクールなあなたの心の声が、ダダ漏れなんですけれども。

「なんで、おれが……いつも『くん』付けやねんっ。いつまでも小学生のガキやあるまいしっ⁉︎」

稍のブラのホックがぐいっ、と外されて剥ぎ取られ、ショーツはパンストごと足元までずり下されぽーんとベッドの外へ投げられた。

……「エロい下着」に(こだわ)ってたわりには、えらいあっさりと目の前から消し去ってはるやん。

自分に跨りながら、今度は自身の衣服を引っ剥がすように脱ぎ始めた智史を見上げて、稍は思わずくすくす笑ってしまった。

「酔い」が、いい感じで回っているのかもしれない。


シェリー酒よりもたぶん……この「雰囲気」に。

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