偽装結婚はおさない恋の復活⁉︎

その日の夜、稍たち家族と叔父の聡とそして智史とで晩ごはんを食べた。

だけど、今日も稍の父親は仕事からまだ帰ってこない。智史に至っては、父親どころか母親もだ。

それでも、稍たちはいろんな話をして、楽しくごはんを食べた。今日のごはんは、聡の好きなハンバーグとケチャップ味のチキンライスだった。

みどりからは「聡は二十歳(はたち)過ぎてもお子ちゃまやねぇ」と揶揄(からか)われていた。
たった一人の弟の前で、彼女は「姉」の顔になっていた。

栞が間髪入れずに「だぁー、だぁー」と「同意」する。

彼女はついこの間まで、ぐちゃぐちゃになった(稍は密かに、吐いたヤツみたいだ、と思っていた)「離乳食」を食べていたが、今は稍たちと同じ、原形をとどめた「料理」を美味(おい)しそうに食べている。

聡が顔を手で覆って「栞、ひどいやんかー」と泣き真似した。

稍が笑った。智史も笑った。


みんな笑った。しあわせだった。

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