偽装結婚はおさない恋の復活⁉︎
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翌日の早朝、五時四十六分。

突き上げられるような激しい衝撃が何回も続いたあと、壁にドンッ、と背中をぶつけた稍は目を覚ました。

一月の朝は寒い。

しかしそれが幸いして、頭まで布団もブランケットもすっぽりと被って包まって寝ていたため、稍にケガはなかった。

激しい揺れは、まだまだ続いている。
こんなに長い揺れは初めてだった。

稍はベッドでぎゅっと丸くなって耐えた。

そのベッドは、なぜか元あった場所から反対側の隅にあった。激しい揺れが、稍を乗せたまま、ベッドを部屋の隅に追いやったのだ。

稍は寝ぼけた目で、昨夜までベッドのあったところを見た。

そこには、稍のお気に入りの、まるでお姫さまが持っているようなヨーロピアン風の真っ白なワードローブとチェストがばったりと倒れていた。

もちろん、稍のピンクの学習机も、その隣のラックも。それどころか、部屋中が泥棒に荒らされたかのようだ。

ワードローブの扉が開き、チェストの引き出しが開き、そこから服や下着が飛び出していた。

そして、教科書や本や学校からもらったプリントや、ラックに飾ってあったぬいぐるみやかわいい小物類など、ありとあらゆるものが、激しい揺れで一気に宙を舞ったあと、床の上に散乱していた。

……もしベッドが、するすると、こちら側まで滑ってこうへんかったら。
あの家具たちの、下敷きになっとうったかもしれへん。

稍はものすごく怖くなって、涙が込み上げてきた。


そのとき、声が聞こえた。

「稍っ……稍っ! 大丈夫なんっ⁉︎ 」

おかあさんの声だった。

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