偽装結婚はおさない恋の復活⁉︎
しばらくの沈黙のあと、みどりが言った。
「……ここに、あたしらの名前を書けばええんやね?」
目を落とした先にあるのは、婚姻届だ。
洋史がローテーブルの端にあったボールペンに手を伸ばし、証人の欄に「青山 洋史」と署名し、生年月日とこのマンションの住所と本籍地を記入した。
そのあと、みどりがその下の欄に「八木 みどり」と署名して生年月日とこのマンションの住所と本籍地を記入する。
二人とも本籍地は兵庫県神戸市だった。
つまり、彼らのそれぞれと同じ籍に入っている稍と智史も同じだ。
二十年以上も顔も見ず離れて暮らしているのに、と思うと不思議な気持ちになる。
智史が封筒の中に婚姻届を入れ、内ポケットに収めた。