偽装結婚はおさない恋の復活⁉︎
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「……少しは『復讐』できた?」

前を向いて運転する智史の横顔に、稍は尋ねた。

「ん……まぁ……面と向かったら……言いたいことも言われへんもんやな……」

前を向いたまま、智史は言葉を選びながら答えた。

智史の「復讐」であったはずの「再会」だが、出だしこそはなかなかのものだったものの、途中からは「みどりの独壇場」になってしまった。

……あの人は「流される人生」って言うてはったけど。

子どもの頃の稍が抱いていた、みどりへの印象はそうではなかった。
母親はいつも父親の話を「うん、うん」と聞いているようでいて、いつの間にか自分の思うようにしていたからだ。

……たぶん、無意識でやったはるねやろうけど。


男の人は、そういう女の人に弱い。

智史もそんなみどりに「してやられた」のかもしれない。

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