偽装結婚はおさない恋の復活⁉︎
「あ、いけない」
麻琴は突然、弾かれたように言った。
「魚住課長、営業部長がお呼びです」
魚住は「またか」という顔をする。
営業のだれかがしくじったとき、魚住が駆り出されるのだ。
それは管理職になってからも変わらない。
いや、むしろ付加価値が増した。
麻琴は「では、課長、よろしくお願いします」と言い残して、ミーティングルームを出て行った。
「……稍さん」
なぜか改まった声で、急に魚住が稍に向き直った。