偽装結婚はおさない恋の復活⁉︎

この時間帯は呑みに来るには早いから、ほぼ貸切状態だった。すぐに、豊かな泡のグラスビールとチャージのミックスナッツがやってきた。

「ご結婚、おめでとう」

「……ありがとうございます」

お互いグラスを少し持ち上げて「乾杯」する。

くーっと呑むと、繊細な泡が喉をつぅーっと通っていく。こんな状況でも、やっぱりビールは美味(おい)しかった。


「わたしね……あなたに、どうしても聞きたいことがあるの」

麻琴がまっすぐ稍を見つめる。

今日一日たっぷり仕事をしたあとだというのに。
稍より一歳下なだけの、アラサーだというのに。

彼女はまったくメイク崩れもないし、疲れて精彩を欠いた肌でもない。


……本当に、完璧に、綺麗な(ひと)だなぁ。

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