偽装結婚はおさない恋の復活⁉︎

チーズの盛り合わせとトマトのサラダがやってきたので、麻琴がボウモアの十二年を頼む。ボトルキープしているものだ。

スコットランドのアイラ島で、シェリー樽に詰められてじっくり寝かされたシングルモルトのボウモアは「アイラの女王」と呼ばれている。

麻琴に「あなたは?」と聞かれて、
稍が「おすすめは?」と尋ねると、
「ここは旬のフルーツを使ったカクテルをオリジナルでつくってくれるのよ」
麻琴がにっこり微笑んだ。

「では、それで」と稍が答えると、麻琴が
「この人のイメージにあったカクテルをよろしく」と杉山にオーダーした。

……カッコいいのになぁ、麻琴さん。
もしあなたが男だったら、あたしは今夜確実にオチますけど?

杉山が稍に「苦手なものはありませんか?」と聞き、稍が首を左右に振る。
彼は「かしこまりました」と口元に微かに笑みを浮かべて、呑み干したビアグラスとともに下がって行った。

「……それで、先刻(さっき)の話の続きなんだけど」

麻琴が話を戻した。

< 507 / 606 >

この作品をシェア

pagetop