偽装結婚はおさない恋の復活⁉︎
「でね、質問を変えてみたの。
『彼女のどこに惚れたんですか?』って。
……そしたら、魚住さんが『料理』だって」
稍はぴん、と来た。
「だし巻き玉子、ですよね?」
「だし巻き玉子?」
きょとんとする麻琴に、稍は大きく肯いた。
「魚住課長の奥さんの美咲さんって、あたしの高校と大学の先輩なんです」
麻琴は、だから会社の創立記念パーティで仲良さげにしてたのね、と納得した。
「高校の頃、お互い図書委員で昼休みの当番のときには一緒にお弁当食べてたんですけど。
美咲さんのだし巻き玉子が絶品なんですっ!」
稍は力説した。
おかずを交換して食べたことがあったからだ。
「表面ふわふわ、中身とろっのだし巻き玉子で、とーっても『やさしい味』なんです」
麻琴が息を飲んだ。
「なるほど……わかったわ。
わたし、やっばり、間違ってたのね。
男の人って、所詮そういう味の人を家に置きたいものなのよね?」
稍はしっかりと肯いた。
やっぱり聡明な人だ、と思った。