偽装結婚はおさない恋の復活⁉︎
「……まずは明日やけどな。おまえの友達に連絡して、ランチはキャンセルにしてあるから」
稍は目を見開いて、智史を見上げた。
「ど…どうやって……さっちゃんに?」
「おまえ、会社にスマホ忘れたやろが」
「ええっ!?」
稍はまったく気がついていなかった。
「心配せんでええぞ。明日の午後二時にうちに遊びに来てくれることになったから、おまえが彼女に会えへんわけやないからな。
……これで、明日の午前中のチェックアウトまで、おれとここでゆっくりできるぞ」
智史は満面の笑みで稍をきゅっ、と抱きしめる。
「それから……」
まだあるのか、と思うと稍はくらり、と目眩がした。
「明後日の日曜日は、ウェディングドレスの試着や。小笠原に言うて予約させてるからな。
レンタルはやってないらしいけど、なんかショーで使ったドレスをデザイナーが直々に調整して貸してくれるらしいぞ」
……うっ、ウェディングドレスぅ!?
「今月末にウェディングパーティするからな。ほんまは稍の誕生日前にしたかってんけど、さすがに無理やったわ。ごめんな。
せやけど、ぎりぎりジューンブライドには間に合った。ま、それも小笠原に走り回らせてんけどな。なんか、予約するのに難儀するほどのフレンチレストランを無理矢理貸切にしたらしいぞ。
さすが御曹司やな」
……うっ、ウェディングパーティぃ!?
「もう会社関係の招待状は小笠原に送付させたからな。おまえ、もし関西で呼びたい友達おったら、旅費は出すから遠慮のう言えよ。
あ、そうや、明日会う友達には、もう言うといたぞ。えらい喜んどったな」
……この人は結婚式ですら、あたしにはなにも言わず勝手に進めるつもりやったんかっ!?