君はいないのに今日も空は綺麗で、僕は泣いてしまった。
「ゆっくりで、いいんじゃねぇの…?」
…え?
「俺も、女って苦手だけど…恋とかしてたよ」
前に言ってた…好きな人…?
でも、“してた”って……
過去形、なの?
「きっと、逢もきっかけさえあれば…気付けるんじゃねぇかな?」
うまくいえねぇけど、と後付けして苦笑いをする彼にキュッと胸が締め付けられた。
「…ひろくんと、またちゃんと話せるかな?男の子って思っちゃったら…目も合わせられないの……」
那知は知ってた、とでも言うように相槌を打って私の髪を優しく撫でる。
本当に、那知は不思議だなぁ。