君はいないのに今日も空は綺麗で、僕は泣いてしまった。
そう優しい表情で言った逢の父親は、またゆっくりと口を動かしてひとつ涙を流した。
「これと、君宛てのぐしゃぐしゃになったチョコレートも…一緒に」
チョコレート…何で、俺に?
逢は、俺にあげようとしてた…?
「あの子は、わかりずらい子だろう?…あまり人に心を許す子じゃあないんだ…」
知ってる。俺も、俺もわかってやれなかった。
「それでもあの子は…君を好いていたんだろうなぁ……」
優しげに微笑んで、目を伏せる姿がどこか重なって、その言葉が、ずっしりと俺の後悔に乗っかる。
「逢のこと、忘れないでやってくれ……」
少し震えた声で泣いたその人の涙が、とても綺麗で
やっぱり逢に似ているな、とぼんやりとする頭の中、ただそう思った。
俯いて情けない顔を晒して、声の代わりに精一杯首を縦に動かす。
そんな俺の肩にポンと手を置いて、逢の父親は微笑んで背を向けて歩いていった。