君はいないのに今日も空は綺麗で、僕は泣いてしまった。
「居るよ」
逢だよ。
なんて口に出せない言葉を心の中に隠して、それでもきっと俺は今、とても優しい顔で君を見つめているのだろう。
「あ、そ、そうなんだ…」
ポッと赤くなった頬を隠すように目を伏せて、長い黒髪が逢の顔を隠す。
照れてる…?
「…いいな、那知くんにそんな顔してもらえるなんて。その子が羨ましいなぁ」
…それは、どういう意味なのだろう。
「何で?」