愛しているなんて言えない
「そうでした。」


女はいくつになっても、恋の話は絶えない。

独身なら、尚更だ。

自分がもはや30代半ばの、いわゆるおばさんに片足を突っ込んだ状態でも、自分だけはそうではないと、思っている。


「言葉はさぁ。結婚の事、どう考えているの?」

「えっ?」

梨花は、私の事をじーっと見ている。

「どうって、いつかできればいいと、思っているけれど。」

「子供はどうするの?」

この手の話は、この年代の女性にとって、死活問題だ。

できるならば、30代の内に子供を産んでおきたい。

それが、女性の本音なのかもしれない。


「そうね。子供は欲しいは欲しいけれど……」

なにせ、作る相手がいない。

これは、深刻な問題だ。

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