愛しているなんて言えない
今度もベッドから起き上がって、自分の足で歩きだした。

身長は私よりも高い。

細見で、なんだかモデルみたい。


「さて。CTに異常がなければ、入院は必要なしか……」

私よりも一回りした。

私は24歳の時、何をしていたんだろう。

ああ、そうだ。

今思えば、一番医者になる事に情熱的だった時期かもしれない。


後は……

医者の彼氏が、できた頃だっけ。

そうそう、さっきの結婚した同期。

あの人と付き合ったのも、24歳の頃だったと思う。


「高住先生。」

「あっ、はい!」

看護師に呼びかけられ、急に振り返った。

「……お疲れのところ、すみません。半井さんのCT画像出ました。」

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