誠の華−ユウガオ−
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『うわぁー、おじいちゃん見て!これおじいちゃんが好きな新撰組の羽織だよ!』
『おぉ麗華、よく気づいたなあ』
目尻のシワをより一層濃くした老人は二つに縛られた少女の頭を撫でていた。
ごく普通のよくいる祖父と孫の姿。
『ねぇねぇ、おじいちゃん!今日はどこに行くの?』
『今日は板橋まで行くよ』
『いたばし?なんで?』
『それは着いてからのお楽しみだ』
ぴょんぴょんと老人の手を取りながら飛び跳ねる少女は老人の言葉に納得がいかないのか唇を尖らせていた。