誠の華−ユウガオ−
すっかり花が落ち青々とした緑の葉が覆い尽くす桜の木を見ていた。
私は今、迷子だ。
記憶が散乱し自分がわからない。
今がいつなのか分かっているはずなのにどこか食い違う。
分からないよ、何も。
「雪、こんなところにいたのね。探したわよ」
ふいに声を掛けられ振り向くと少しやつれたおミツさんがいた。
「おミツさん、どうしーーーーーー」
パシンッッッッ
私が言い切るよりも早く、頰に鋭い衝撃が走った。
ジンジンと痛む頰を抑えながらゆっくり振り返ると今にも泣き出しそうに顔を歪めるミツの姿が目に映る。
「お…ミツ……さん?」