誠の華−ユウガオ−




翌日


「だから何で教えてくれないのよっっっっ!!!」


試衛館中に雪の怒号が響き渡ったのは早朝のことだった。


洋装に身を包んだ土方を見つけた雪は行き先をしつこく聞くが全く聞く耳を持たない土方に遂に雪の堪忍袋の緒が切れたのだ。


「うるせえな。お前はもう新撰組を抜けた身だろう、そんな奴に話す必要はないってだけだ」


ドンッ


「何なのよそれっっっ!!!私が新撰組を抜けたのは総司の為でしょう!どうしても教えないっていうなら良いわよ、今日から私は復帰する。だから早くどこに行くのか、今の状況をちゃんと教えなさい!!!!」


畳を叩きつけて前のめりになりながら言うと歳さんも目を釣り上げながら私に顔を近づけた。


「教えてやったらお前は江戸に残るって約束できるのか」


「え…」


「俺について来ないと約束するならこれからの予定を教えやる。どうする、知りてえか?」



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