誠の華−ユウガオ−




「当たり前じゃない。でもね歳さん、私はもう刀は握らないの。明日からは救護や雑用係としてたくさんこき使ってちょうだい。本当は歳さんの小姓が良かったけど鉄の仕事奪っちゃ可愛そうだもんね」


「おいおい、雪姉さん!俺の仕事奪うつもりだったのかよ!!ひっでー!」


「うわ、鉄!また背伸びたんだ!大きくなったね!!見てみて島田さん、あの鉄が私とそんなに変わんないよ!いや、むしろ鉄のがデカい?!」



市村鉄之助、彼は数年前より土方の小姓務めている。


土方を尊敬して止まない鉄之助はまだ15歳。



歳さんは彼を小姓という役職を与えることで戦場から遠ざけていた。



それ程に歳さんは鉄を大切に思っていたんだ。


「そんなことより雪姉、戻ってきてくれてありがとう。新選組の時からいる人達はどんどんいなくなっていっちゃって寂しかったんだ」



ズキュンッ


「何この子、可愛い。母性が…母性が溢れ出る…」


思わずギュッと抱きしめてしまった。



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