誠の華−ユウガオ−
「歳さん、山崎さん知らない?」
大阪城にて私はもう一度ちゃんとお礼を伝える為に山崎を探していた。
てっきり負傷兵のところで寝ているのだとばかり思っていたがいなかったのだ。
「あいつなら救護室にいるぞ」
「え?まだ手当終わってなかったの?」
「ちげえよ。あいつが負傷兵の手当してんだ」
「…そう、ありがとう」
「おい」
まだ眉間にしわを寄せながら地図を見ていたので戦略でも考えているのだろうと邪魔をしない為に早々に引き上げようとしたが呼び止められた。
不思議な思いながら振り返ると中に入れと指図されたので歳さんの前に正座をする。