誠の華−ユウガオ−
「どうしたの?疲れてそうだね。お茶でも淹れてこようか?」
目の下の隈が目立つ歳さんに労わりの言葉をかけるが未だに眉間にしわを寄せたまま何かを考えているようだった。
「そうそう、さっき勇さんの顔を見てきたけど流石新撰組局長だね!もうピンピンしてた!一時は刀が握れないかもなんで言われてたのにこの調子なら大丈夫そうだし。本当に良かった」
「…あぁ、そうだな」
適当な返しにちゃんと聞いてるのか疑いたくなるが敢えて何も言わない。
歳さんは何日も寝ていないからきっと休みたいんだ。
「やっぱり歳さん疲れてそうだからお茶淹れてくるね」
「雪、頼みがある」
腰を浮かせた途端そう言われ思わず動きが止まる。
歳さん直々に何かを頼まれることは今まで何度もあったことだが何か嫌な予感がする。
「私に出来ることなら、任せてください」
固唾を飲み込み居住まいを正すとそう言った。