わたしはあなたにときめいてます
〈もしもし〉
〈香澄? お母さんだけど〉
〈はい〉
知ってる…。
〈元気?〉
〈普通です〉
元気だよ…。
〈そう…。高校卒業したのよね?〉
〈はい〉
したよ…。
〈働いてるの?〉
〈はい〉
キッチンのアルバイトをしてるよ…。
〈それは良かった…〉
〈はい〉
〈突然だけど…明日の夜、会えないかしら?
話があるの〉
〈分かりました〉
〈場所と時間は明日教えるわね〉
〈はい〉
〈じゃあ…また明日〉
〈はい〉
プーッ、プーッ、プーッ、プーッ……。
「うっ…ううう…」
《それは良かった…》
良かった…。
「うう…ううう……」
《じゃあ…また明日》
捨てられてなかった……。
「ううっ…うううう…」
本当に…良かった……。
「これで、よし…と」
ロッカーの鏡で自分の顔を最終チェックすると。
「今日も頑張るぞ!!!」
気合いを入れて、ロッカールームから出ようとドアノブに手をかける。
「もしもし、国吉くんか?」
店長?
国吉って…。
「この前の話は友達に伝えてくれたか?
そうか…悪いな……。言いにくかっただろ?
辞めるように言ってくれって言うのは」