今宵は遣らずの雨

寛政十二年、安芸広島新田(しんでん)藩では、二代藩主の浅野 兵部少輔 長喬との約束どおり、三代藩主の浅野 近江守(おうみのかみ) 長員が隠居した。

そして、長喬の忘れ形見である幼名・粂之助こと浅野 兵部(ひょうぶ) 長容(ながかね)が四代藩主に就いた。

間もなく十一代の公方(くぼう)様(徳川 家斉)に謁見して官位を賜り、浅野 近江守 長容となった。

そして、長容は安芸広島藩 七代藩主 浅野 安芸守 重晟の娘、邑姫(さとひめ)を娶る。

嫡男には恵まれなかったが、邑姫との間にもうけた娘の峻姫(みちひめ)の娘婿に、本家の安芸広島藩より浅野 長訓(ながみち)を迎え、養嗣子(あととり)とした。

その後、五十五歳で死去した長容の跡を継いで、五代藩主 浅野 近江守 長訓となった。

ところが、本家の安芸広島藩主 十代藩主の浅野 安芸守 慶熾(よしてる)の急死により、奇しくも本家である安芸広島藩 十一代藩主に就くことになり、浅野 安芸守 茂長(もちなが)と改名する。

それに伴い、峻姫は安芸広島藩 十一代藩主 浅野 安芸守 茂長の正室となった。







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「今宵は遣らずの雨」
第三部 「運命(さだめ)の愛」〈 完 〉
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