婚約破棄するつもりでしたが、御曹司と甘い新婚生活が始まりました
殺気に満ちた玲人君の声が聞こえて、次に「うっ‼︎」と拓海さんが呻いた。

ドサッと拓海さんがベッドから落ちる音がして、恐る恐る目を開ければ、玲人君が肩を大きく上下させ、ベッドの下に転がっている拓海さんを睨みつけている。

……玲人君?

これは現実なの?

それとも都合のいい夢?

どうして彼がここに?

頭の中は?だらけ。

拓海さんは玲人君に殴られたのか、驚愕の表情で左の頬を押さえていた。

玲人君の後ろには、小鳥遊さんがいる。

ポカンとしながら彼らを見ていたら、玲人君が口を開いた。

「栗田拓海、俺はあんたに警告したはずだ。覚悟は出来てるんだろうね」

その身が凍りそうな冷たい声に、背筋が寒くなった。

顔は笑みを浮かべているが、彼は怒ってる。

今までとはレベルが違う。
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