婚約破棄するつもりでしたが、御曹司と甘い新婚生活が始まりました
彼は激怒している。

空気が彼の怒りを伝えてくるのだ。

肌がチクチク痛むような感じがする。

拓海さんもそんな玲人君に恐れをなしたのか、この期に及んで言い逃れをした。

「ま、待て!俺は瑠璃に誘われたんだ!」

拓海さんの発言に唖然とする。

「違う!拓海さんに俺の愛人になれば父を助けてやるって言われたの!」

思わず叫んでしまい、慌てて手で口を押さえた。

あっ⁉︎いけない。

ここで私が否定したら、父がどうなるかわからないのに……。

玲人君はチラリと私に目を向けたが、すぐに拓海さんと向き合い、スーッと目を細めた。

「へえ、どういうことかもっと詳しく説明してもらおうか?」

「お、俺は何もしていない」

拓海さんはそんな玲人君を見て激しく動揺するも、突っぱねる。

すると、小鳥遊さんがニコニコ顔で割って入ってきた。
< 237 / 256 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop