婚約破棄するつもりでしたが、御曹司と甘い新婚生活が始まりました
「優しい瑠璃も、真面目な瑠璃も、お馬鹿な瑠璃も全部好きなんだ。だから何度も言うけど、婚約破棄なんてしない」

「玲人……君」

彼の言葉に胸がジーンと熱くなる。

「婚約解消なんて馬鹿なことは考えないで、全部俺のものになってよ。苗字も九条に変えてね」

再び玲人君は私を抱き寄せ、私の耳元で囁いた。

「うん」

彼の胸の温かさを感じながら相槌を打つと、なぜか突っ込まれた。

「ちゃんと意味わかってる?俺、今プロポーズしたんだけど」

玲人君は呆れ顔で笑っている。

プロポーズ?

そう言えば、苗字も九条に変えてとか言われたような……。

「ええ〜⁉︎」

素っ頓狂な声を上げる私に、彼はもう一度甘い声で囁いた。

「俺と結婚しよう」
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