婚約破棄するつもりでしたが、御曹司と甘い新婚生活が始まりました
「それで、瑠璃がいろいろ変な方向に考えるといけないからちゃんとプロポーズしたんだけど、まだ実感していないみたいだね」

その不穏な声の響きにドキッ。

いきなり玲人君に抱き上げられ、私は慌てた。

「れ、玲人君?どこ行くの?」

ベッドに運ばれるかと思って聞いたのだが、玲人君の回答は違った。

「お風呂」

「もう少し休んでからでいい?」

今日は疲れてすぐには動けない。

そう確認するが、彼は構わずバスルームに向かって歩き出す。

「瑠璃は寝てていいよ。俺が瑠璃の身体洗うから」

「え?いいよ。玲人君だって疲れてるでしょう?」

そう気遣うも、彼はゆっくりと首を横に振った。

「全然。それより瑠璃についたバイ菌を早く洗い流さないと落ち着かない」

「バイ菌って?」

「邪なあの男に触られたんだ。綺麗にしないと」
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