婚約破棄するつもりでしたが、御曹司と甘い新婚生活が始まりました
玲人君は何も悪くない。

私ひとりで大騒ぎして何やってんだろう。

そもそもお風呂で寝てしまった私がいけないのだ。

ひとり反省していたら、意外な言葉を彼にかけられた。

「綺麗だったよ」

「は?何が?」

わけがわからず聞き返すと、彼がバサッと上着を脱いでいて、「キャッ!」と声を上げ、手で目を塞いだ。

「ここで脱がなくても……」

小声で抗議したら、彼はクスッと笑う。

「自分の家なんだからどこで着替えようが俺の自由だし、瑠璃ももうお子様じゃないんだから慣れないとね」

「そ、そんなの慣れないよ〜。もう着替え終わった?」

玲人君に確認するが、返答がない。

代わりにフワッと何か柔らかいものが唇に触れた。

え?

今の何?

不思議に思って手をどければ、上半身裸の彼が身を屈めて私の顔を覗き込んでいる。

玲人君と目が合い心臓がドキッ。
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