婚約破棄するつもりでしたが、御曹司と甘い新婚生活が始まりました
目は赤くなってないし、腫れてもいない。

これなら、泣いてたなんて彼に気づかれない。

歯磨きを済ませ、寝室に戻ってクローゼットを開けた。

見覚えのない新品の服が並んでる。どれも高級ブランドだ。

引き出しには下着が入っていて、ほとんどが新品でブランドもの。

しかも、どれも私好み。

家具だけじゃなくて、服まで手配したなんて……。

うちの母親も手伝ったんだろうけど、いつから準備したんだろう。

全然気づかなかった。

多分、玲人君はうちや彼の両親にゴリ押しされたんじゃないかな。

下着を身につけて、一番左にあった春らしいピンクのスーツを着て寝室を出る。

玲人君の姿を探してリビングに行くと、その隣にあるダイニングのテーブルに彼が皿を並べていた。

「ちょうど良かった。瑠璃、朝食出来たよ」

私に気づいた玲人君が声をかける。

「あっ……うん」

< 46 / 256 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop