婚約破棄するつもりでしたが、御曹司と甘い新婚生活が始まりました
なんか……ホントに新婚さんみたい。

普通は私が作るべきなんだけど……。

なんか私……流されてない?

席につけば、テーブルにはトースト、サラダ、目玉焼き、ソーセージ等が並んでいた。

赤いマグカップに玲人君が紅茶を入れてくれて、彼も私の前の席につく。

彼のマグカップは青だ。

お互いの好きな色。

好きな人との絵に描いたような食卓。

勘違いするな。

これは現実であっても……フェイクなのだ。

私達は愛し合って一緒にいるわけではない。

なのに……彼は理想の婚約者を演じてキスまでした。

このお芝居は一生続くの?

そんなの耐えられないよ。

玲人君だってそうじゃない?

「瑠璃?」

玲人君に声をかけられハッとする。

「あっ……私の好きな紅茶の香りだと思って」

笑って誤魔化すが、彼は不審顔。

何か言われる前に言わなきゃ!
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