婚約破棄するつもりでしたが、御曹司と甘い新婚生活が始まりました
「食べよ!ホント玲人君、料理も出来るし何でも出来るよね」

明るく笑いながらトーストにバターを塗る。

「ただ焼いただけだよ。料理は瑠璃に負ける。今夜は接待があって一緒に食べられないけど、今度サバの味噌煮作ってよ」

玲人君はサバの味噌煮が好きだ。

だから、九条家のレシピを教えてもらったのだけど、それが私の一番の得意料理。

「いいけど、点数はつけないでね」

また十点なんて言われたら凹む。

「昨日のコーヒーのこと気にしてるの?」

彼はマグカップを口に運びながら聞いてくる。

「十点なんて不合格だもん」

上目遣いに彼を見てトーストをかじれば、彼はクスリと笑みを浮かべた。

「まだ拗ねてるんだ。じゃあ、朝一でコーヒーお願いするからリベンジすれば?」

「次は七十点目指します」

そう宣言すると、彼はニヤリとした。

「そこは百点て言わないと」

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