婚約破棄するつもりでしたが、御曹司と甘い新婚生活が始まりました
小鳥遊さんはそう言って顎に手を当て考える。

「今、栗田百貨店で地方の物産展やってるんです。多分、見つかります。私が買って来ましょうか?」

「いや、前田さんに頼むよ。栗田さんには他にお願いしたい仕事がいっぱいあるんだ」

「私にですか?」

自分を指差して聞き返せば、小鳥遊さんはニッコリと微笑んだ。

そして、私は今、黙々と招待状の宛名貼りをしている。

なんでも来月、九条ホールディングスの会社創立百周年の式典が都内の高級ホテルで行われるらしい。

宛名を見ていると、ちらほら知っている名前が……。

みんな政財界の大物ばかりだ。

さすが、九条ホールディングス。格が違う。

午前中はずっと宛名貼り。

多分、玲人君が小鳥遊さんに私が病み上がりだから、簡単な仕事を頼んだのだろう。
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