女の賞味期限
あのレンタルショップには、10分程で着く。

今日は、洋服も余所行きにしてきたし、きちんと化粧もしてきた。

帰る直前まで、余裕で対応できる。

「うん、よし。」


私は一息ついて、レンタルショップの中に入り、カウンターの前に行った。

「すみません。柏崎と申しますが、長岡さんに用があって来ました。」

「ああ、柏崎さん。長岡から聞いております。どうぞ、どうぞ。」

対応してくれた女性店員は、裏口を示した。

これは、勝手に入っていけって事なのかしら。

「そのまま行っても……」

「ええ。構いませんよ。」

私は、ニコッと挨拶をすると、裏口を進んだ。


そこは昨日の夜とは違い、暗い。

通路を物置に使っているのか、古いPOPやカレンダーが、いくつも積まれている。

気をつけないと、今にも倒れてきそう。

これはこの場所を通り抜けるだけで、大変だ。

なんとか、廊下を通り抜け、一番奥のドアの前にやってきた。



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