女の賞味期限
まずい。

アラフォーにもなって、まともな朝食を用意できない女だと思われている。

明日からは、もっと精進しなければ。

私は箸を持ったまま、じーっとテーブルを見続けた。


「……遥香さん?」

「えっ!?」

目の前に、大成君の心配そうな顔がある。

「どうしたの?」

「あっ、いや。何でもない。」

作り笑いをしながらの朝食は、10分程で終わった。


そして着替えをして、玄関に向かった時だ。

「今日はパンツなんだ。」

後ろから大成君が、声を掛けてきた。

「うん。何となくね……」

そう言えば、この前大成君に会った時は、張り切ってスカート履いちゃったな。

まさか、いつもパンツスタイルだと言う事は、まだバレてはいまい。

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