White girl

日常






仁の家に住むようになってから一ヶ月


ここでの生活は何事もなく、まるで“平穏”の
象徴だった。


日に日に仁のスキンシップが激しくなっていくけど…

仁からもご両親からも詮索されることは無く、
学校、家、倉庫を毎日、点々としている。



今日は日曜日___

仁の部屋でくつろぐ私達
最近ずっと気になっていたことを聞いてみる。



「ねぇ、仁」


「何だ?」


「あのさ、私の家の…あの男は今何してるの?」


「……お前は知らなくていい。」


「は?」

何かを知っている風なのに、隠された。

何か事情があるのかもだけど…仁が知っていて私が知らないのもおかしい。



「…教えてよ。」


「駄目だ」


「教えられない理由も?」


「…あぁ。」


「…………」

少しずつイライラしながらも、じーっと粘る。



「じゃあ、家に帰っちゃおっかなー」

耐久戦は通用しないと思い、そんな冗談をこぼす。


と、手首をガッと掴まれた。

私を見るその瞳には完全に怒りの色がある


やば、怒らせた……。






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