【完】溺れるほどに愛してあげる
「え、なに?」
「笑った…笑うんだ」
「俺を何だと思ってんの」
「ちゃんと表情筋、機能してるんだ…」
「おい、馬鹿にしてるのか?」
そんなことない!
と笑って否定すると、
本当だろうな?
って笑って返してくれる。
こんな当たり前のことが、凄く嬉しいんだ。
「あぁ、だけど体育祭は出ないから」
「…え?!」
「何だよ」
「そこは、参加してもいいかな…って言うところじゃない?!」
「そんなの俺は知らない」
そう言われたら何も言い返せないんだけど…
今日は金曜日。
体育祭は火曜日。
…もうあたしに残された時間は月曜日しかないんだ。
どうにかして彼の考えを変えるような一手を見つけなければ…