【完】溺れるほどに愛してあげる


「ただいまー…ってあれ?あたしの布団は?」





感動に包まれたお風呂を終えて部屋に戻ると、もうみんなは布団を敷いていた。





「は、あんた俺達と同じとこで寝ようと思ってたわけ?!」

「え、そうじゃないの?」





驚きで目をカッと見開いた金田が、信じられないと言わんばかりにそう言い放つ。





「はぁ…ありえないでしょ」

「そんなに不機嫌になるようなこと!?」





さっきまで亮くんの部屋にみんなでいたから、てっきりそうなのかなーって思っただけじゃない!



そんなに怒るようなこと!?





「優愛さんのは親の部屋に布団敷いてあります。突き当たって左の部屋なんで、そこ使ってください」

「あ…ありがとう」





大人しく部屋を去ろうとすると、未だに不機嫌そうな金田と目が合った。



お邪魔しちゃってすみませんね。


私は違う部屋に退散しますよーっと。



そんなことを思いながらドアを閉めた。

< 57 / 154 >

この作品をシェア

pagetop