花に美少年

後輩の久美ちゃんが肩をすくめて私を見る。

「何でもするから遠慮なく言ってね」

「ありがとうございます」

それから今の状況を久美ちゃんに聞いて、仕事にかかる。
細かく指示を出すドクターもいれば、ほとんど説明も無く、ただカルテを渡してくるドクターもいる。
患者さんが部屋を出たら一度間を取るドクターもいれば、次から次へと患者を呼んで欲しいと言うドクターもいる。
その全てに素早く対応していくことも、私たちの仕事だ。

「安達さん、ごめん一回部屋を片付けてもらってもいい?お手洗いに行ってくるから」

「はい、わかりました」

2番の部屋で診察をしていた内藤先生に言われて、診察室のベッドのシーツを整える。
それから椅子や荷物用のカゴの位置を直していると、隣の部屋の会話が聞こえてきた。

「風邪かなって感じたのはいつから?」

「金曜の夜」

「そこから熱は?」

「土日はずっと39℃近くあって寝込んでました。それから昨日ちょっと下がったからいけると思ったけど、やっぱまだ怠いから来ました」

ドクターの淡々とした質問に、明らかに風邪とわかるくらいの鼻声で患者さんが答える。
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