消える世界で、僕は何度でも君に会いにいく。
同級生なのか、女子数人に絡まれていたことがあった。
同じ理由で、それが知り合いだと外見からではすぐには認識できなかったから。
そこに割って入って、怪訝な顔をされたことがあった。
上着を脱いで服装が変わっていた僕が誰だか、すぐには気付けなかったから。
数々の違和感の正体も、事情が分かれば合点がいった。
単純に人の顔が覚えられない。
だから自然と、服装や背格好、髪型、喋り方なんかで咄嗟に人を判断するようになったんだろう。
畑中さんは……
どれだけの不安の中で生きているんだろう。
すれ違った人が、例えば知り合いかもしれない。
それに気付かないで通り過ぎたことがあったかもしれない。
事情を知らない相手には、彼女が無視をしたように写るかもしれない。
そうしてきっと、畑中さんは社会から孤立してきたんだろう。