消える世界で、僕は何度でも君に会いにいく。
「落ち着いて落ち着いて。そんなに慌てなくても映画は逃げないよー」
「え、いや、そういうわけじゃ…」
「そんなに楽しみなんだねえ。こうなったら張り切って2本立て行ってみよっか!」
「そっ、それは…!」
無理!ごめんなさい、本気で無理です!!
慌てる僕を尻目に、「冗談だよ」と笑って言った彼女はすっかり僕の扱いを心得ている。
恐ろしい…。
素直にそう思ってしまったのは否めない。
*
映画館に着いて、券売機でメニューに沿って選択していく。
「畑中さんが見たい映画のタイトルは?」
見たところ、それらしいものはない。
次のページかな、とスクロールしようとした横から畑中さんの細い指が伸びてくる。
「これだよ」
どれどれ、と選択されたタイトルを覗く。