消える世界で、僕は何度でも君に会いにいく。
「……これ、ホラーじゃな——」
「高校生2枚ね。はい、これお金」
「あ、僕が払うよ。……じゃなくて!え、もしかして騙した?」
「んー?何のことかなあ」
は、謀られた……!!
畑中さんが選んだのは最近公開した、テレビのCMや広告でも話題の切ない恋愛映画。
会って間もなく体調の心配をされて、ついさっき買ったという飲み物をもらって。
この場も結局、押し切られて映画のチケット代もきっちり払われてしまった。
いや、払われたというか、問答無用でポケットに突っ込まれたというか…。
「いいからいいから!
お金は大事だよ。とっといて」
とまで言われて、僕は立つ瀬がない。
……男として、いろいろと打撃を受けている気がする。
そう思わされるほどの行動力と逞しさが彼女にはあったのだ。
軽くショックを受けながら、ポップコーンを買いに行く彼女を見送った。