消える世界で、僕は何度でも君に会いにいく。



「……これ、ホラーじゃな——」


「高校生2枚ね。はい、これお金」


「あ、僕が払うよ。……じゃなくて!え、もしかして騙した?」


「んー?何のことかなあ」


は、謀られた……!!



畑中さんが選んだのは最近公開した、テレビのCMや広告でも話題の切ない恋愛映画。



会って間もなく体調の心配をされて、ついさっき買ったという飲み物をもらって。


この場も結局、押し切られて映画のチケット代もきっちり払われてしまった。


いや、払われたというか、問答無用でポケットに突っ込まれたというか…。


「いいからいいから!
お金は大事だよ。とっといて」


とまで言われて、僕は立つ瀬がない。



……男として、いろいろと打撃を受けている気がする。


そう思わされるほどの行動力と逞しさが彼女にはあったのだ。


軽くショックを受けながら、ポップコーンを買いに行く彼女を見送った。


< 67 / 139 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop