初恋のカケラ【3/13おまけ更新】
「まだ付き合い始めたばっかりだから……」
「エー何?向こうからここまで会いに来ちゃう感じ?」
妹の興味を煽ったみたいで、質問しだす。
ていうか、二人の時だったらいくらでもいいけど。両親ともいるから何となく話しづらい。
「ちがっ、実家がこっちってだけ」
そのやりとりの間、お母さんは黙ってお茶を飲みながらその会話を聞いてるけど。お父さんのお酒を飲む手は止まったまま。
ま、まずいよね、これ。
そこにLINEの通知が鳴るから慌てて取り出して見るけど、なんとなくみんなの視線がいたい。
TAKESHI
【ついたよ】
すごいタイミングだな先輩。ここから出れるのはいいけど、なんていうか。
「あ。えと、ちょっと出てくるね。遅くならないように帰ってくるから」
立ちあがってそう言うと、
「どこまで行くの?車で送ってくよ?」
妹のこの気づかいが今はちょっと迷惑で。だってこう言われたら本当の事を言うしかない。
「えと、車で来てるから大丈夫」
そのまま二階に行き、軽く化粧を直してからコートと荷物を持って下に降りた。
その間二、三分のはず、だけど玄関に居るその人を見て足が止まる。
「今度ゆっくり家にいらして?えと、お名前……」
「失礼しました。外山と申します。はい、今度改めて寄らせていただきます」
バッチリ好青年の顔で受け答えをする先輩がいた。