初恋のカケラ【3/13おまけ更新】
町を一望できるその場所にはやはり数台の車が止まっていた。
もちろん遊園地の営業時間は終えているから、目的は私たちと一緒ってことになる。

「外、出て見る?」

先輩は開いているスペースに車を停めるとシートベルトを外した。私もそれをはずしながら、

「はい、ここ久しぶりにきたからちょっと見たいけど、……寒いですよね?」

「すぐ戻ればいいだろ?」

それもそうだ。せっかくここまで来たんだし、車の中に居るだけってのも。

「ですね」

外に出ると頬を感じる風はかなり冷たい。さっきまで家にいたから余計に寒く感じるのかもしれない。
コートの襟元を持って口元に引き寄せる。

「さむっ」

それを見た先輩はポケットから手袋を取りだすと私に差し出した。

「使ってくれてるんですね」

私がクリスマスにプレゼントした手袋。受け取ったそれは先輩の温もりで暖かかった。

「とーぜんっ」

先輩は顔をクシャッと崩して笑う。それを見ると心までも温かくなる。

「でも先輩が寒くなっちゃうから」

「俺?俺は平気、こうするしね?」

そう言って自分のダウンのポケットに手を入れる。「ほら、」って。だから手袋しろって目が言ってる。
プレゼントした手袋を自分でするってのもなんか変だけど、とりあえず寒さには勝てない。
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