初恋のカケラ【3/13おまけ更新】
「あぁ、そうか」
「ていうか、別に先輩の家じゃなくても……」
下を向いて目線だけチラリと先輩にやると、驚いた顔で。
ほら、やっぱこういうの私から言うのなんて男らしいって。
「あーなんていうか……色々と。俺都合?」
パッと目を逸らされて言葉を濁すのにはなんか理由があるはずで。
「じゃ、俺都合なら仕方がないので早くいきましょうか」
握った手をほどいて立ち上がった。
「クルミって、切り替え早いから」
まだ座ったままの先輩は、苦笑いを浮かべてる。いや、だって早くいかないと電車が……。
「そんなんじゃないですけど」
というか、うちに長居するともう行きたくなくなって。もういっそここでいんじゃないの?って言いそうになるからなんだけど。
「あんまり駄々捏ねてるとクルミが行かないって言いそうだからな」
う、ばれてる。ええ、もうすでに思ってますとも。
そんな心の声が聞こえたかのように、先輩はスクと立ち上がり歩き出す。そしてピタリ止まってから、
「あーそうだ、クルミ。ここ出たら日曜の夜まで帰さないよ?」
先輩は振り返ってそう言い放った。