初恋のカケラ【3/13おまけ更新】
その体勢のままで顔を見合わせてクスクス笑いだす。

「クルミ、まじで乙女力つけないと」

「そう、ですね」

先輩の言うとおりだ。こんな場面で笑い出すなんて、ムードもあったもんじゃない。
乙女力どころか女子力、ともかく女とつくものすべてかき集めて詰め込みたい。
私がすっかり反省していると、上から聞こえたのは優しい声。

「……でも、そう言う所も好きだよ?」

先輩はこれ以上ないぐらいに甘い顔で言う。
そして何度も言葉で伝えてくれる。

「……っ、」

先輩のその想いに触れるたび、キュッと心を掴まれたようになる。
キュッとなるのか、キュンとなるのか良くわからない時もある。

だけど今は……

「も、先輩の……ですから」

先輩にしっかりと伝わるように。
……そして自分にも言い聞かせるように。


「クルミ、おしゃべりはおしまい」

そう言って先輩は口付けを落とす。
十分に私を味わいつくしたはずの先輩は、今度は体全部でそれを堪能する。


私はまた、その波にさらわれ、そして沈められる。


「もっと俺を感じて、俺でいっぱいになって……」

最後に聞いたのは、切なく呟く先輩のそんな言葉だった。
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