初恋のカケラ【3/13おまけ更新】

「んー、優等生で女の子なんて興味なくて…――」
「そんなわけ。ない、……から」

「え?」

私の言葉を遮るようにして否定する坂下くんに驚いて歩みを止める。並んで歩いてる坂下くんもそれに合わせるように立ち止まっていた。そんな力いっぱい否定されると、続ける言葉もなくて。

「……まぁ、子供だったのかな」

そう言ってから、坂下くんはゆっくりと歩きはじめたから私もそれについていく。

微妙な距離感のせいか、歩くスピードが合わない。そういえば先輩の時はそんな事なかったけど、それは坂下くんとの身長差のせい?

背の高い坂下くん。半歩後ろから眺めてみるけど、先輩よりも10センチぐらいは高いだろうか。私は小さい方ではないから、男の人を見上げる事はそうないからこの目線の違いがかなり新鮮。

そんな事を考えながら歩いていたら少しだけ坂下くんに遅れを取っていたらしい。慌ててスピードを上げた。
途端、ピタリと歩みを止めて坂下くんが振り返る。

「ここが入口かな?」

その背中しか見てなかった私は、振り返った坂下くんに気付くも反応が遅れて……

「わっ、ごめっ」

坂下くんの手が私の肩を支える。今までにない距離の近さに鼓動が一気にスピードを上げていく。
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