初恋のカケラ【3/13おまけ更新】
「どうって、何も」
「だってあの日、家行ってたんでしょ?」
急に足を止めて強い調子で聞くノリちゃんに振り返って答えを言う。
「うん、あの後すぐに送ってくれたよ、ノリちゃんの言うように」
ちょっと恨めしそうに聞こえたかも知れない。だけどあの日、ほんとは一人でいたくなかった。
そして私は歩き出す。ノリちゃんはそれに遅れと取らないようにと小走りで着いてきながら、
「今日は送って行ってねとは言ったわよ、確かにね?だけどその後の事をどうこう言うつもりはないからね?」
「え?」
「え?じゃないわよ、あの日相良さんの家にいてどうするつもりだったの?」
「どうって……」
視線を彷徨わせると、見えてきたのは目的地のカフェ。
「あ、ノリちゃん。ココ」
答えを言わないまま、先にお店に入った。
あのまま相良さんの家にいたら飲み続けてただろう。お酒があまり強くない上に疲れていた私はきっと潰れて、何を言っていたかわからない。いい大人なんだから自分のした事の責任ぐらいは取れる。だけど……
「よしっ、後十分。時間ないんだから建前とかやめてよ、クルミ」
先にシッカリとくぎを刺された