初恋のカケラ【3/13おまけ更新】

「んーほんとに何も」

「……あぁ、そうなんだ。」

私は困ったような顔をしてたのかノリちゃんはそう答えると今度は急に怒ったように「ったく、相良さんは何してんのよ」と小声で言って舌打ちする。

いやいや、ノリちゃん。さすがに舌打ちはないでしょう?それに、相良さん何してんのって意味が……

「ま、いいわ。今日しっかりと言い聞かせるから」

さっきまで怒ってたのに、今度は少し楽しそうにいうから

「もうっ。この前みたいに酔って絡まないでよ?」

ノリちゃんが夜中に木村の携帯から電話してきた事を思い出しながら言う。今考えてみたらあの時もそこまで考えつくぐらいなんだから、たいして酔ってもいなかったんだろう。

「あぁ平気よ。今日は聡いるしね。ほら、飲み過ぎたら怒られちゃうから」

ほんと、ノリちゃんって木村の前では可愛いんだから。
木村の話をするノリちゃんの表情が変わったのを見て微笑ましく思う。

「そう言えば今日一緒に行こうって相良さんに言われたんだけど」

「へ?じゃあ何で私と会ってるの?」

「だってノリちゃんと約束した後だったから」

「……あいかわらず、」

呆れ顔のノリちゃんに「すぐ会えるし、いいじゃない」と小声で答えた。

「今日はたっぷり言い聞かせるのは相良さんだけじゃなくてクルミにもみたいね」

ノリちゃんは立ち上がって「ほら行くわよ」と言った。
もう時間らしい。
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