初恋のカケラ【3/13おまけ更新】
静かな室内に聞こえてくるのはお互いの吐息。
玄関からもれてくる薄明かりに照らされる相良さんの顔はいつもの精悍な印象とは違って、

「こんなことしてたら店閉まるよな?」

言ってる事とやってる事はだいぶ違う。そう言いながらもその行為は止まらない。

「ん……」

肯定とも否定とも言えないそんな言葉を吐くと

「でももう無理。これより優先する事。今はない、よな?」

目を合わせて確認されて頷くように抱きしめ返す。それを答えと取った相良さんにもう一度強く抱きしめられると、自分から相良さんに口付けた。

唇を離すと一度見開かれた目が今度はゆっくりと弧を描く。ニヤリと口元が緩んだかと思うと、噛みつくように口付けられた。

「俺、口も手も出るって言ってなかった?」

「……だって、」

我慢できなかった。
待ち焦がれてた。
今すぐにでも……

「手と口だけすまねーよ?」

こんな表情の相良さんは見たことない。色気のあるまなざしと口角の上がった口元。

欲しいのは相良さん。
その存在を全身で感じたい。

「……うん。全部、教えて」

相良さんのすべてを。
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