初恋のカケラ【3/13おまけ更新】
「よかったぁ」
力の抜けたそのままに相良さんの正面に座ると、
「美味いから、クルミちゃんも食べてみ?」
そう言ってお皿からケーキをフォークで少しすくって私の口の前へ。
や、これって。あーんしないとダメっぽい感じ?迷っているとますます目をキラキラとさせたまま「ん」って待ってる相良さん。
「クルミちゃん?」
いよいよ観念して口をそっと開けると唇にフォークが触れる。
「もうちょっと開けないと入んないよ」
その言葉と同時にえいと口を開くと柔らかいスポンジが口の中に入ってきた。
何度も味見をしたからわかってる……はずなのに、ふわりと鼻に抜けたリキュールの香りと目の前の相良さんの微笑み。酔うはずもないそれにクラリとした。
なんでこんなこと相良さんは平然とやってのけちゃうんだろう。
さっきまでとは違うドキドキに支配されて私は「あ、コーヒーおかわりいるよね?」と言い、立とうとしたらスッと手を伸ばされてその腕を掴まれた。
「いらないから。食べ終わるまで座ってて、ここに」
ポンポンと自分の横を叩くと、その手をゆっくりと引き寄せられた。